
「減塩梅干しは体に悪い」。
添加物の神様と呼ばれている、阿部司さんの著書「食品の裏側」にこのような意味の一文が書かれていました。
そうなの!?
私にとって塩は、炒め物に使うときに塩・コショーの調味料の1つ。
正直塩について、あまり意識した事はありませんでした。
どちらかというと、あまり取り過ぎない方が良いのかなー程度の認識。
減塩○○とかが売っていると、むしろ健康に良さそうだなって感じで買っていました。
ただ、いわゆる天然塩・自然塩と言われる物でおにぎりを作ると、おかずを入れなくてもとても美味いなー、と思っていました。
「減塩梅干しは体に悪い」の言葉がとても気になり、「塩」について色々調べてみました。
結論から言うと、減塩が体に良いというのは、ある意味正しい。
しかし、それが全てでは無い。
また、高血圧の要因とも言われていますが、塩の種類によって状況が異なるようです。
塩が高血圧とされていたのは昔の話?
塩が高血圧の要因とされたのは、過去の2つの実験と調査の結果が元になっていました。
どのような実験だったのでしょうか。
簡単にまとめてみました!
●メーネリー博士のネズミの実験
1953年、アメリカの高血圧の学者メーネリー博士が行ったネズミの実験。
10匹のネズミを用いて、20~30gの食塩と1%の食塩を加えて6ケ月間の検証を行う。
結果、10匹のうち4匹が高血圧となった。
●ダール博士の高血圧症発生率の調査
1960年、アメリカの高血圧の学者ダール博士が論文で発表。
日本の食塩の摂取量と、高血圧の発生率を調査。
結果、1日に平均27~28gの塩をとっていた東北地方の人が、南日本の人よりも高血圧が多いと結論付けた。
しかし、ダール博士の調査は後に塩分が高血圧の要因では無く、白米が要因であること分かった。
またた、東北地方は寒いので、体を暖めるために塩分を多めにとって血圧を高くする必要があった。
そして、メーネリー博士のネズミの実験は後に名古屋市立大学教授・青木久三先生の実験結果より、食塩の摂取と血圧は関係性が無い事が分かる。
青木久三先生は高血圧学会の最高賞と言われているチバ賞を受賞されている方であり、高血圧研究会で世界的にも信頼されている方です。
ですので、塩と高血圧は、関係性は無いと考えて良いはずです。
それにも関わらず、いまだに塩を取り過ぎると高血圧になると言われているのは不思議ですね。
そもそも、高血圧ってどんな状態の事なのでしょうか。
高血圧とは酸化のこと
「高血圧とは血が酸化している状態」。
調べてみて分かりました。
人間の血液は、食べるものやストレス、疲労具合によって酸性に傾いたり、アルカリ性になったりします。
ジャンキーな物を食べたり、ストレスや疲労がたまると血がドロドロで、錆びている酸化状態になります。
そして、7.4の弱アルカリ性の状態がもっとも一番健康な状態と言われています。
ジャンキーな物を食べて、その後なんか体がだるいなー、疲労がたまって体が重いなーと思うときありませんか。
それは体が酸化している状態です。
そんな時は、アルカリ性にシフトを意識してみて下さい。
今の健康情報って、科学が発展したこともあり、びっくりするくらい色々な情報がありますよね。
○○菌とか、○○成分とか。
確かにそれは全て役に立つ情報だと思います。
ただ、細かすぎて覚えられないし、枝葉の情報が細分化されすぎているのかなって感じる部分があります。
東洋医学的な考えになるのですが、酸化とアルカリ性もしくは陰陽の考えがあります。
これは、健康を考える上で全体像が非常につかみやすいと思います。
私も酸化とアルカリ性の考えを意識してから、かなり体調管理が行いやすく健康状態を保ちやすくなりました。
そして、白米や肉を食べると血は酸化に傾くようです。
先ほどご紹介した、日本人の塩分摂取量を調べたダール博士の調査も、高血圧の要因は白米であることが後に分かりました。
なんと、塩は本来アルカリ性です!
ということは、塩を取っても高血圧にはならないはずですよね・・・。
それにも関わらず、塩と高血圧に関係性があるのは何故なのでしょう。
その本当の理由は、塩の種類によって違う事が分かりました!
減塩した方が良い塩は精製塩のこと
減塩を示す塩とは、「精製塩」の事を示すようです。
「塩問題協議会」の橋本事務局長の著書「病気になる塩治る塩」に書かれており、「なるほど!」と思いました。
塩と言っても、よく調べると原料と製法によって全く別物の塩になります。
以下、どんな種類の塩があるかをご紹介します。
・精製塩
いわゆる一般的に塩と呼ばれているのは、全てこの精製塩のことです。
イオン膜交換法という製法で、海水から作られています。
元々は、工業用の塩でもあり塩化ナトリウムの純度が99%以上。
1971年に始まった専売法より、自由に塩の販売・製造が出来なくなり、この精製塩が急激に増える。
塩化ナトリウム以外、ミネラルがほとんど含まれていないのが特徴。
・岩塩
岩塩を採掘、もしくは岩塩層に水を注入して溶解。
味は美味しく、良質な塩で健康にも良いイメージが強い。
しかし、塩の結合力が強く体には負担がかかる。
また、発ガン性物質の亜硝酸ナトリウムが含まれているので、取り過ぎには注意。
・再加工塩
輸入した天日塩をいったん海水で煮詰めた物。
塩化ナトリウム以外の、ミネラルバランスは精製塩に比べて良好。
ただ、メキシコやオーストラリアの天日塩田は、塩化ナトリウムの上澄みだけを抽出する方法を取っている。
そのため、加熱塩や天日塩の方がよりミネラル豊富な良質な塩になる。
・加熱塩
平釜から作られた日本の伝統的な製法。
ミネラルバランスはとても良好。
いわゆる本来の塩と呼ばれていたのは、この製法もしくは次にご紹介する、天日干しの塩の事を示す。
一般的に自然塩、天然塩と言われている物はこの加熱塩、もしくは天日塩の事。
・天日塩
ミネラルバランスが最上級に良い塩。
また、加熱による酵素の破壊も無いので、体を活性化させる酵素も取り込める。
塩を調べる中で、塩の違いはミネラルバランスの違いであることが分かりました。
そして、減塩が健康に良いと言われているのもこのミネラルバランスに関係していることが分かりました。
ミネラルが体を活性化させる!
ミネラルバランスを整える事が、最良に健康の状態になる!
調べた中で、私の中で理解できた結論です。
そして、そのミネラルバランスとは海水に近づく事である。
海水から進化した生き物は、体内環境が海水に近いのが最も理想な状態と言われています。
つまり、海水に近い状態になることが健康になるということなんですね。
塩とは海のミネラルを凝縮した海の結晶。
天日塩、もしくは平釜から作られた加熱塩がもっともそのミネラルを持っている塩になります。
逆に、精製塩は塩化ナトリウム以外のミネラルがほとんどありません。
このミネラルバランスの悪い状態と、過剰なナトリウム摂取が高血圧など体の不調をもたらすと考えられています。
ただ、医学的にはまだ未解明のようです。
私の気づきですが、ナトリウムを過剰摂取するとそれを排出するために腎臓が機能します。
その腎臓に極端に負担がかかることで内臓が疲れ、体調不良を起こすのではないでしょうか。
いずれにしても、バランスを意識することが健康維持のためのキーワードだと私は思います。
古代の人は塩の重要性を理解していた
古代の人は、科学的根拠が無くても塩の重要性をよく理解していました。
それがよく分かるエピソードを2つ紹介します。
・カントンの海水療法
フランスの生理学者ルネ・カントン。
1866~1925年に生きた方です。
動物の血液と海水は非常によく似ている。
その仮説から、血液量の3倍薄めた海水を犬に注入する実験を行う。
犬は無事ばかりかとても元気になり、長生きする。
この実験の成功から人にも応用して、余命わずかとされた人を次々と治療していく。
のち、フランスでは海水療法の父と呼ばれるようになる。
・塩抜きという拷問
日本の江戸時代には、罪人に白状させるために「塩抜き」という拷問を行ったそうです。
食事から一切塩を抜くと、罪人は元気が無くなり、フラフラになり白状をするようになる。
なんと、水攻めやムチで打っても白状しない罪人に最終手段としてこの「塩抜き」が行われていたそうです。
良い意味でも、悪い意味でも塩の重要性をよく理解していた古代人。
本来の塩って、どんな効能があるのだろうか。
具体的な効能が知りたくなって、調べてみました。
体のゴールキーパー、塩の6大効能!
免疫力を高め、体を守る力を最大限に高める。
私が感じた塩の効能です。
具体的には、6つの効能があります。
①新陳代謝代謝の基本機能
塩の効能について調べるとこのような表現で書かれていました。
分かりやすく解釈すると、「必要な物を取り入れて、不必要な物を出す。」になります。
水飲み法という健康法があり、体に良いとされています。
しかし、水を大量に飲むと、塩分が薄まってしまうので、この機能が下がってしまうようです。
私も直感的に、確かにそうかもと思いました。
一番の理由は、スポーツしている時です。
水だけって、なんか体が受け付けなくなってしまうんですよね。
しかも、飲み過ぎるととてもだるくなってしまいます。
そこで、塩をいれた塩水をスポーツをする際に試してみました。
おぉ、体が欲する感じがするじゃないですか!
それ以来、私は基本的に水を飲む際は、塩水にして飲むのが習慣になっています。
②熱を発生
塩には熱を発生する力があります。
体が冷えると、おしっこをしたくなりませんか?
あれは、塩分濃度を高くして熱の発生から体を温かくするためです。
東北地方や、長野など寒い地方の人が塩を多く取っているのも本来は同じ理由のようでした。
逆に、暖かい南国の人は体温を下げるために砂糖を取っています。
暖かい国に、甘い果物が多いのもそのためだったんですね~。
塩の発熱によって、体温が上がります。
体温が上がると、免疫力も上がります。
体温は36~37度がベストであり、体温が上がることで花粉症やアトピーも治る例が多々あるようです。
私も私の妻も、この春花粉症の症状がほとんど出ませんでした。
塩をはじめ、食生活を見直している時でした。
確かに前よりも体温が上がっています。
体温が温まると、花粉症やアトピーが治るのは私もかなり信頼性のある話だと思っています。
③筋肉を動かす
塩にはいわゆる締める力があります。
魚や肉を焼く時に塩をかけると、きゅきゅと身がしまるあれです。
塩を適正に取ることで、便秘解消にも役立ちます。
④電流が通る
電流が通ることで、血液がサラサラになります。
体に電流が流れることで元気はつらつになり、うつ病改善にも効果があります。
⑤解毒作用
浄化作用が有り、汚れた体液を体外に出す効能があります。
実際に、塩風呂や塩塗りなどの治療法があります。
⑥体に必要な元素に変わる
簡単に説明すると、人の体にとって必要な元素に変わる機能のことです。
炎天下のサハラ砂漠の人が、日よけもないのに元気に仕事をしています。
それは塩を摂取することで、体を冷やすカリウムに変換していると考えられています。
最近、元気が無いなって感じる時ありますか。
もしかしたら、減塩を意識しすぎて体の防御力が低下しているのかもしれませんね。
減塩食品が体に悪い本当の理由
「減塩梅干しは体に悪い」の本当の理由は、大きく2つあることが分かりました。
そして、これは他の減塩食品にも共通します。
①塩の代わりに、添加物を使用するため。
減塩梅干しを例に出します。
減塩梅干しは、本来塩が梅の重さに対して10~15%の塩を使用しています。
それがたったの、5%しか使用されていません。
塩本来の役割は、味付け、保存、色落ち防止、食感を出すためです。
塩を減らしてしまうとこの役割を別の物で補わないといけなくなります。
味付けは化学調味料、保存はソルビン酸、色落ち防止は酸化防止剤、酸味は酸味料を使用。
そして、塩が減っている~と食べた人に感じてもらうために甘みも添加。
甘さを出すために、甘草、ステビア、サッカリンを使用しています。
減塩食品には、たくさんの添加物が使われていたのですね・・・。
確かに減塩食品の表示の裏側を見たら、見慣れないカタカナの文字がたくさん書いてありました。。
②体を活性化させる、塩を減らしてしまっているため。
昔の日本の拷問で、「塩抜き」の話を紹介しましたが、塩が無くなることで人は元気が無くなってしまいます。
日本人が元々古来から食べていた、梅干し・醤油・味噌・漬物も全部塩を使っていますよね。
塩があってこそ、日本人が今まで元気に生きてこれたのではと思います。
スーパーで天然塩は買えるのか?
スーパーでは、天然塩は私が調べた限り見つけられませんでした。
また、自然塩・天然塩という表現は実は正しくなく、そのような表記では売られていません。
食用塩公正競争規約で、規制がされています。
一般的に言われている天然塩は、先ほど紹介した加工塩と天日塩になります。
本文では、分かりやすいよう自然塩・天然塩の表現したいと思います。
塩の見分け方は、表示で見分けることが出来ます。
・精製塩
工程にイオン膜と書かれています。
この工程の物は全て精製塩になります。
スーパーで売られている塩は、この製法の塩が多かったです。
※こちらの写真では産地が岡山と書かれてますが、岡山県の塩が全て精製塩というわけではありません。
・岩塩
原料に岩塩と書かれています。
ちょっとこだわり・おしゃれ系のスーパーや、小売店で売られていました。
岩塩否定派ではありませんが、日本には元々無い原料という視点から考えると、料理に合わせて使用するぐらいが良いのかなと思います。
・再加工塩
原料が海外の物と、工程に溶解と書かれています。
スーパーでも売られています。
スーパーで少しでも良質な塩を考えている方は、まずはこのタイプの塩で試してみるのも良いと思います。
・加熱塩
工程に平釜と書かれています。
日本の伝統製造方法でもあります。
自然食品店や、こだわり・おしゃれ系の小売店で売られていました。
・天日塩
工程に天日と書かれています。
ここまでくると、お値段も高価になります。
塩にはこだわりたい!という方は是非試してみて下さい。
天日塩は確かに、塩の旨みが段違いに違いました。
自然食品店や、こだわり・おしゃれ系の小売店で売られていました。
体が求めていたのは塩だった!
美味い!
確かに、体は塩欲していました。
塩に対する考え方が変わってから、体の塩サインに気づくようになりました。
塩を取ると不健康になるという思い込みから、無意識に塩という選択肢を外していたようです。
特に、仕事から帰って疲労感を感じる時、朝起きて何かシャッキとしない時。
スポーツの後に喉の渇きだけでない何かを欲していた時。
それまでは、塩という発想が無く、色々な物を飲んだり・食べたりしていました。
しかし、何か今ひとつピンとこない物がありました。
試しに塩を取ってみたときに、これだ!と思うしっくりくるものがありました。
不思議なことに、体が塩を欲していたことに気づいてから、今まで以上に過剰に食べ物も食べなくなりました。
体がこれではない、というサインを発していたのかなと思います。
何よりも、塩は正直とても美味しい物でした!
そして、以前よりも体の軽さを実感しています。
本日の食卓の笑顔。
塩という物に、そもそも違いがあるとは思っていませんでした。
塩は私にとって、白くてしょっぱい物。
身近にある物こそ、近すぎて案外思い込んでいた自分にも気づかないものなんですね。
減塩が体に良いのは、精製塩の場合に限るのですが、それだけが世の中に広く浸透してしまっているのがとても不思議です。
減塩梅干しを作っている生産者は、売るためだけに作っていて決して自分達は食べないそうです。
なぜ自分たちが食べない減塩梅干しを作るのか、それは本来の梅干しを作っても売れないためだそうです・・・。
古くから食べられていた自然塩・天然塩を食べたときに、体が「これを欲していたんだー!」というサインを確かに感じ取りました。
体が本当に求めているのは、自分の体が実はよく分かっているんですね。
この経験から感じ取れることは、自分の声を聞いているようで、知らないうち外部の情報に流されていたことです。
他にも、今回のようなぼたんのかけ違いがたくさんあるような気がします。
思い込んでいたことで、よく調べて、レッテル外したらこんなことがあった!という経験がもしありましたら是非教えて下さい。
「頭で考えるな、心で感じろ!」。
この感覚を大事にして、今後も心の底が喜ぶ食の出会いを大事にしたいと思います。
本日も最後までご愛読、ありがとうございました。
※天然塩で何を買うか、もし迷っているなら
加熱塩や、天日塩も探してみるとたくさん出てきます。
どれもこだわりと信念を持っていて、正直私は塩を買うときに大分悩んでしまいます。
作られている地方、生産者の想い、見た目のフィーリングでビビッときたのを手に取ってみたらいかがでしょうか。
買うたびに塩を変えてみるのも、楽しみが広がるし良いのかなと想います。
また、加熱塩や、天日塩は今回ご紹介した以外の表示で書かれていることがあります。
今回は一番分かりやすい表示をご紹介しました。
もし、それでも最初のとっかかりでお塩に悩んでいるようでしたら、海の精が作られているお塩はいかがでしょうか。
海の精は、平成9年に塩の専売法が無くなってから、日本の伝統的な塩を復活させようとして立ち上がった組織です。
人の体に最良な塩作りたいという、熱い想いが込められています。
また、ここで売られている梅干し・醤油・お味噌も格別に美味しいですよ!
是非一度お試し下さい。
きっと、お塩に対する考えが劇的に変わると想います!
※参考書見
・正食と人体 一倉 正著
・日本人には塩が足りない! 村上譲顕(むらかみ・よしあき)著
・病気になる塩治る塩 塩問題協議会著
・食品の裏側 阿部司 著
“え?減塩が不健康?!高血圧と減塩は実は関係がない理由を調べてみた!” への1件のフィードバック