家庭菜園初心者のために、無農薬で化学肥料を使わないトマトの育て方について紹介します。
定植から収穫。
虫食いと、病気の対策について記載します。

 

※私がなぜ無農薬、そして化学肥料も使わない野菜栽培に興味をもったか。
以下のブログに、詳しく書いております。

 

 

無農薬・化学肥料無しで、トマトを育てる事が出来ます。
とっても安心で、安全なトマトが食べられます。
そして、とっても甘酸っぱ~いトマトが出来ます。

 

農薬や化学肥料を、買いに行く手間もかかりません。

 

忙しくても、安心・安全なトマトが食べたい。
子供に、にこにこ笑顔でトマトを食べてもらいたい。
真夏に、甘酸っぱいトマトの酸味を味わいたい。

 

そんな方は、是非、無農薬・化学肥料を使用しないトマトの栽培にトライして下さい!
初心者で、時間が無い方でも大丈夫です。
実際に、私がそうでした。

 

トマトは定植から収穫まで、3~4ヶ月の時間を要します。
せっかく、手間暇かけたトマト。
甘酸っぱっくて、美味しいトマトが出来なかったら、もったいない!

 

途中で病気になって、収穫出来なくなる。
収穫したトマトが、美味しくない。
もし、そうなったら、3~4ヶ月間の時間の全てが無駄になってしまいます。

 

しかし、本やネットだけだと、実際始めてつまづいてしまう部分があります。
私自身、とても悩みました。

 

図や写真を用いて、本やネットだけでは分かりづらかった部分をクリアにしたいと思います。
私自身が経験して納得した事を、お伝えしたいと思います。
本文では、初心者向けのミニトマトを中心にご紹介します。

 

※本文は、主に以下の情報を参考にしています。

・ガッテン農法(MOA自然農法普及員 三浦伸章)
・無肥料栽培を実現する本(無肥料栽培家 岡本よりたか)
・三浦伸章さんセミナー聴講
・岡本よりたかさんセミナー聴講

 

好きな事をして、元気に成長する!


人間同様、好きな事をすると活き活き・伸び伸び育ちます。
元気に育つことで、病気に強く美味しいトマトになります。

 

そして、農薬や化学肥料を使用しないでも、すくすく育つようになります。
まずは、トマトさんの大好きな事について紹介します。

 

トマトは乾燥好き

トマトの原産地は、中南米の高地です。
雨が少ない、乾燥した土地です。
そのため、トマトは水気が少ない乾燥した所を好みます。

 

反対に、水気が多いジメジメした所が苦手です。
トマトを育てる場所は、日当たりがよく畑や庭の中でもっとも乾いてるところです。
ご自身の育てる畑や庭が斜めに傾いているなら、高いところがお勧めです。

 

地をはって育つ

トマトは、本来地にはって育つ植物です。
イメージとしては、サツマイモのように地面をはいます。
土に近いほど、トマトにとっては快適な環境になります。

 

しかし、雨が多い日本では土が湿っています。
そのため、地をはってしまと腐ってしまう可能性があります。
次からは、実際にトマトを育てる手順について説明していきます。

 

苗(なえ)を入手して、畑に植える

5月中旬に、苗(なえ)を入手して畑に植えます。
苗(なえ)を畑に植えることを、定植(ていしょく)と言います。
苗(なえ)は、ホームセンターで購入出来ます。

 

苗(なえ)とは人間に例えると、小学生の子供とイメージして良いと思います。
種から発芽して、2ヶ月目の状態です。

 

トマトの収穫は、定植後の2~3ヶ月後の7~9月に出来ます。

※温暖地(中間地)参照の、時期です。
お住まいの場所で、多少のずれがあります。
お住まいの場所は、以下の地図をご参考に下さい。

出典:自然のタネ:種まき時期から選ぶ

 

 

苗(なえ)を畑に定植する前に、畑での事前準備が必用になります。

 

※種から、苗(なえ)を育てることも出来ます。
直まき育苗(いくびょう)が、時間が無い方でもお勧めです!
以下をご参考に下さい。

 

土を盛り上げた台、畝(うね)が必要。

トマトを育てるには、土を盛り上げた台が必要になります。
それを、畝(うね)と言います。

 

高さを約20cm、幅は約80cmが目安になります。
ご自身の土の水はけの状態で、高さに若干の違いが出てきます。
初心者の方で、迷った場合はまずはこのサイズをお勧めします。

 

乾燥したところを、好みます。
高いところほど、水気が少なくなります。
逆に、低いところほど、水気が多くなります。

 

POINT!

トマトは、水気が少ない所に好む。
高めの場所×高めの畝(うね)で育てる。

 

畝(うね)を作りましたら、苗(なえ)を植えます。
苗(なえ)は、適度な距離を取りながら植えるのがポイントです。

 

苗(なえ)は45~50cm空けて植える

トマトの苗(なえ)と苗(なえ)距離を、45~50cm空けて植えます。
苗(なえ)と苗(なえ)の間のことを、株間(かぶま)と言います。
距離が近すぎると、成長後に風通しが悪くなり病気にかかりやすくなります。

 

畝(うね)を挟んで、2列に千鳥植えで定植します。
千鳥植えとは、正面ではなく交互になる植え方です。
向かい側の野菜が、斜めのところに植えます。

三角をイメージすると、とても分かりやすいと思います。
以下の図のようなイメージです。
日当たりと、風通しが良くなります。

畝(うね)の脇に、植えます。
畝(うね)の脇の方が、水はけが良いからです。

 

植える時に、とっても大切なポイントがあります!

 

寝かせて植える

植える時は、寝かせて植えます。
苗を畑に植えることを、定植(ていしょく)と言います。

 

寝かせて植える理由は、根が増えるためです。
まっすぐ縦に植えた時の、数倍根が増えます。

 

根は水、ミネラルを吸収します。
なので、根が増えれば増えるほど豊富に栄養分を吸収します。
そして、元気なトマトが育ちます!

 

寝かせて植える細かい手順は、以下に詳細を書いております!

 

定植を終えましたら、トマトが育つ方向を導きます。
元気に育つには、角度が重要になります。

 

45度の方向で育てる

トマトは、45度の方向で育てるのがお勧めです。
トマトがどの方向に進んでいくかを、誘因と言います。
会社で例えると、先輩社員が新入社員を育てるイメージです。

 

まっすぐに育てていくのが、一般的です。
しかし、トマトは本来地をはって育ちます。
雨が多い日本では、土が湿っています。
そのため、地をはってしまと腐る可能性があります。

 

本来のトマトの特性を考えると、まっすぐに伸びるのはストレスです。
地にはうのに近い、45度くらいの方が元気に育ちます。

 

45度の誘因には、2つの資材が必要になります。

 

誘因の資材は、支柱と紐を使う

支柱と紐を用意します。
支柱は長さ2m、太さ16mm幅が推奨。

 

太さが16mmだと、強度があって安心。
長さが2mmだと、誘因するのに充分な長さになります(ガッテン農法参照)。

 

紐に特に規格はありません。
私は、ダイソーで購入しました。
環境にやさしい天然繊維使用の紐を、園芸コーナーで購入しました。

固く縛り易く、強度も良さそうなのでビキナーの方にお勧めです!

 

支柱から、設置します。
ポイントを説明していきます。

 

支柱の設置、3つのポイント!

以下、手順になります。

 

① 支柱の設置場所を決める。

設置場所は、定植したそれぞれのトマトの根元付近に挿します。
根を傷つけないように、進行方向側に挿します。

 

②支柱を挿す。 


土の中に、深さ30cm以上挿します。
深さ30cm以上で、支柱が安定します。

 

③ 支柱を固定する。

土の中に挿した支柱に対して、上の部分に支柱を横方向に設置します。
各支柱と、横に渡した支柱を紐で結びます。
そうすることで、支柱が安定して固定されます。

 

支柱を設置しましたら、次は紐を用いて45度に誘因する準備をします。
押さえておきたい、ポイントを説明します。

 

紐での誘因準備、3つのポイント!

以下、ポイントを説明します。

 

① 支柱とトマトの主茎を、八の字にくくります。

紐を使って、主茎の根元付近と固定します。
八の字にくくる事で、茎を傷つけづらくなります。
そして、支柱にしっかり固定する事が出来ます。

 

② らせん状に絡める。

くくった紐を、主茎にらせん状に絡めます。
トマトが育つ方向を、導いてあげるためです。


③ 紐を45度に伸ばす。

紐を、45度の角度で伸ばします。
トマトが、45度の方向で育つようになります。

 

最後に、上の横に設置した支柱に紐を結びます。
これで完了です。

 

 

支柱の設置から、紐での誘因手順は以下の記事により詳細を書いております。

特に、私は八の字のやり方が分からず大変苦労しました。
より具体的に知りたい方は、ご覧下さい!

 

 

そして、いよいよ誘因です!
ポイントは、地面から出てきた主茎
を育てていきます。

 

わきに出た芽は取り除いて育てる

トマトはわきから、つぎつぎに芽が出てきます。
これを、わき芽と言います。
わき芽は、
取り除きます。

 

 

地面から出てきた真ん中にある茎を、主茎と言います。
この主茎を、45度に誘因しながら育てていきます。
主茎から出てきた、葉っぱは残します。

 

わき芽を取る際は、手で取り除きます。
はさみを使うのは、NGです。
はさみから菌が移り、病気になりやすくなります。

わき芽を指でつまんで。

 

横に折って、取り除きます。

 

手を使う理由は、2つです。

① 手で取ることで、わき芽を取った際の傷口が塞がります。
菌が、入りづらくなります。

② 手の菌で、病気の菌は相殺されます。

※MOA自然農法普及員 三浦伸章さんセミナーより

 

花が咲いて45日が、収穫時期になります。
甘酸っぱ~いトマトを収穫する際も、注意点があります。

 

トマトの収穫も手で!

トマトの収穫も、手で行います。
わき芽の取り除き同様、病気の菌を移さないためです。

 

収穫したら、実の下の葉っぱ3枚も取ります。
下の葉3枚で光合成して、実に栄養を送っているからです。
葉を取ることで、次の実に栄養がいくようになります。

風通しも、良くなります。

 

トマトの実ですが、うっかりすると収穫前に虫に食べられてしまいます。
虫に食べられない、コツをご紹介します。

 

風通しを良くすることで虫食いを防ぐ

風通しが悪いと、虫食いにあります。
私は実際に、コガネムシやヨトウムシに食べられてしまいました。
トマトの収穫時の、下の葉っぱ3枚を取る事が基本になります。

 

他には、全体的に見て風通しが良くなるようにします。
トマト全体の、葉の整理する。
畝全体の、草の高さを抑える。

 

以上の事も、気をつけてみて下さい。
これだけでも、ぐっと虫に食べられることが減りました。

 

POINT!

トマト収穫時の、下の葉っぱ3枚を取る。
トマト全体の、葉の整理する。
畝全体の、草の高さを抑える

 

最後に、成長途中で病気にならないようにする。
もしくは、なってしまった場合の対応についてご紹介します。

 

病気対策①灰色カビ

灰色カビ病の対策と、対応です。
写真のように、葉が白色になった場合は灰色カビ病の可能性が高いです。
元の菌は、空気中に蔓延(まんえん)しています。

 

水と低い温度が要因で、発生します。
雨が毎日降る、梅雨の時期は要注意です。
トマトは本来、乾燥して暖かい場所で育ちます。

 

その反対の、水分過多で寒い場所ではトマトは弱り病気になりやすくなります。
対策のポイントは、水分を多く吸わせないようにする事です。
具体的に行える事は、2つあります。

 

◎対策

 

① 畝の両脇に、穴を30cm掘る。

※写真は片脇の穴です。
同じ穴を反対側にも掘ります。

 

30cmの穴を掘ることで、土の中の水の溜まる場所がさらに下にいきます。
土の中の水の位置が下がることで、根が水分を過剰に吸わなくなります。

 

通常の時の水分吸収に、影響はありません。
トマトは、多くの水を必要としないためです。
もし、地に水分が無かった場合、空気中の水分を吸収します。

 

根が地中から出て、吸収します。

 

② 畝の真ん中に、溝を作る。

※写真は少し分かりづらいですが、畝の真ん中に溝があります。

 

カビ自体は、湿度が高くなることで増えます。
畝の真ん中に溝を作る事で、風通しが良くなり水はけも良くなります。
結果的に、湿度が下がりカビが増えづらくなります。

② 畝の真ん中に溝を作るは、三浦伸章さんセミナーでやっておりました。
セミナー畑のトマトは、灰色カビ病にならず元気に育っていました!

 

◎対応

もし、灰色カビ病になった場合は、葉は切り落とします。
他の箇所に病気が伝染するのを、防止するためです。

 

病気対策②タバコモザイク病

写真のように、葉がちぢれたような状態はタバコモザイク病です。
タバコモザイク病は、人・動物・虫を介してかかります。
タバコモザイク病にかかった場合は、残念ながら助からない可能性が高いです。

 

他のトマトに移る可能性があるため、株ごと抜きます。
他のトマトに移さない事が、最善の対応になります。

 

トマトの好きを理解して、元気なトマトを!

トマトの好きを理解する事!
それが、病気にならず、美味しいトマトを育てる一番のポイントです。
病気にならないようにするのではなく、元気に伸び伸び育てようにする。

 

元気になるには、どうしたら良いか。
前向きな視点で考えることが、大事になります。
そうすることで、トマトはパワー溢れた美味しい野菜に成長していきます。

 

人の役割は、あくまでもサポート。
与えすぎは、逆にトマトの成長を妨げる事になります。
子育てや、新入社員を育てるつもりで取り組んでみて下さい!

 

まとめ

最終的に一番大事なことは、トマトとの信頼関係だと思います。
私自身、一番伸び伸び力を発揮した時。
それは、上司に信頼を感じた時でした。

 

始めて取り組むときは、親身に丁寧に教えてくれる。
本当に困ったときは、真剣に相談に乗ってくれる。
時には、厳しくされる。

 

最終的には、「おまえなら出来る!」の一言が、何よりも有り難く感じました。

 

トマトは実際、なかなか手間のかかるお野菜です。
定植から、とても気を使います。
夏場は炎天下の中、わき芽を取りながら下葉の管理。
風通し良くするため、畝の雑草のケアも大事。

 

途中で病気になったり、収穫直前に虫に食べられた時はとてもショックでした。
しかし、手間がかかる分、愛情が人一倍湧きます。
赤く立派なトマトが実った時は、とっても感動!!

 

そして、暑い日差しの中で、もぎたてトマトを食べるこの瞬間。
手間暇かけた分、ご自身にとって世界一美味しいトマトになる事は間違いありません。
是非、無農薬・化学肥料無しのトマトの栽培にトライしてみて下さい!

 

※今回はトマトの育て方にスポットを当てましたが、土台になる土の状態を整える事がとても重要です。
別記事で記載したいと思っていますが、気になる方は以下の参考書籍を是非ご覧下さい!

◎参考所見